
携帯ストラップ(写真:noge_farm)
この携帯ストラップはどこで作っているんですか? あと、チームアサンテの目的は、アフリカ支援団体に寄付するということですが。
このストラップは、ナイロビのキベラ地区にあるアフリカ最大のスラム街で、自立支援プログラムをやっている「セーブ・ザ・チルドレン・センター」で作っています。スラム街に住んでいる女性たちの手作りです。どの程度のサポートになっているか、詳しくは分かりません。このセンターの代表者は日本人で、菊本照子さんがやっています。もうひとつは「モヨ・チルドレン・センター」という施設があり、そこも日本人がやっていて、松下照美さんが主宰しています。まずはこの2カ所に寄付したい。両団体の現状も知っていたので、支援したかったのです。
山口さんの経歴を見ると、アフリカから現在の個人家庭向けコンシェルジュサービス(家事代行派遣業)に至ったのは、不思議ですね。
最初、東京農業大学で熱帯農業を勉強していました。卒業後2年間は、青年海外協力隊でバングラディシュに派遣され、その後、トルコやタンザニアで農業開発に携わりました。
実は39歳のときに大学院に行ったんです。海外での仕事相手はドクターやマスターが多かったんです。しかし、実践的な技術を持っていた日本人の方が現場に強かったと自負しています。ただ、海外では日本以上に学歴社会だった気がしたんです。そこで、東農大の大学院で国際農業開発学の修士号を取りました。
しかし、その後、ケニアのマサイマラにある「ムパタ・サファリ・クラブ」というホテルをやってみないかという話があったんです。ホテルのオーナーは、月刊誌『ソトコト』編集長の小黒一三さんです。彼と会う機会があって、意気投合したんです。そこに私が誘われたのは、外国人の扱いに慣れていたからだったかもしれません。
国際協力で技術支援の仕事をしていたときに、技術を伝えるより教育が大事だと感じることがありました。ホテルで従業員教育をするのは、自分にとっても役立つのではないか、と考えたんです。従業員が、いろんな国の人たちと接して、マナーやコモンセンスを学んでいく。私自身のシミュレーションとしても良い経験でした。
そして帰国して、2006年6月、現在のネクストマナーを作ったんです。いずれは日本でも農業で食の安全に関連した仕事をやってみたい気持ちもあります。オーガニックには、あまりこだわる必要はなく、減農薬農法などで十分かと思います。
オーガニックにはこだわらない?
コットンに関しては、オーガニックで栽培するのは非常に難しい。病害虫が発生して、全滅の危機があるわけです。オーガニックにこだわるのは、やはり、リスクが高い。小規模ならいいが、大規模にやって、全滅したら経営はアウトです。それをどこまでやるか。
コットンの場合は、多少の農薬を使っても、脱脂綿といわれるように、油を抜く作業があります。そのときに、農薬も抜けちゃうんです。それを紡いでいくわけですから、オーガニックにこだわらなくてもいいんじゃないかと思うわけです。マリでは、ほとんど手で摘み取っています。そういう組合があるんです。そして、漂白したり、染めたりします。
日本人の場合、アトピー性皮膚炎で悩んでいる方が多いと思います。アトピーには、化繊が入るとだめですが、オーガニックでなくても、コットン100%ならほとんど問題はありません。そういった意味でも、オーガニックに限らず、コットン100%であればいいんじゃないかと思うわけです。

ケニアのスラムキベラにて携帯ストラップ作成風景(写真提供:チームアサンテ)
ケニア国内で綿花の栽培はあまりやってないと思います。コットン栽培には水のコントロールが重要です。雨があまり降らない乾燥したところでも、灌漑設備を造れば栽培できます。ケニア北部では出来るかもしれませんが、大規模な農場を手がける治安や地域の力はまだありません。将来の可能性はありますね。【明日へつづく】(インタビュー・文責:望月良憲)
初出=野毛商店:
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