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2006年9月

2006/09/24

ホイアン探検隊

Hoian
だいぶ前の話で恐縮です。ベトナム中部の港町ホイアンを訪れたのは、1997年3月のこと。かつて日本人街が形成されていたこともあり、日本人の墓もいくつか残っています。

ホイアンは99年、東南アジアで大量の古い木造家屋が現存している貴重な町として、世界遺産に登録されました。この町には江戸時代初期、朱印船が交易のため頻繁に往来し、日本人が建立したと言い伝えられている「来遠橋」(日本橋)は観光名所として健在です。

ガイドブックには日本人の墓についていくつか紹介されていましたが、あえて「さらに一キロほど行った水田の中に」と説明があるだけの墓を探してみることにしました。

黄色い乾いた砂を踏みしめながら、農家が点在する小道の奥へと歩きます。すれ違う人びとに「日本人の墓は?」と尋ねると、皆「あっちだよ」と竹やぶの奥を指さします。

しばらく行くと、男の子が駆け寄ってきて、案内を買って出ました。途中、道を間違えながらも自信ありげに私の手を引いていきます。すると、次第に彼の仲間が集まって、十二歳のダン少年を筆頭とする即席探検隊が結成されたのでした。

竹やぶを抜けると、見渡す限り緑がゆれる水田が広がります。ときは夕刻、急に空が曇り、雷が鳴り響きました。

   *

墓石に刻まれている文字は判読不可能で、日本人の墓かどうかも確信が持てません。しかし、なかなか楽しい体験でした。もちろん案内料は請求されましたが。そういえば、ダン少年は仲間が増える度に「あっちへ行け」と追い払おうとしていました。案内料を独占しようとの腹づもりだったのでしょう。彼は「コーラが飲みたい。ワンダラー」と真剣な表情で手のひらを私に差し出したのでした。

【写真=水田の中にぽつんと残されていた墓石と、即席探検隊員たち】

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