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2005年8月

2005/08/20

靖国神社3

高橋哲哉著『靖国問題』(ちくま新書,2005)を読む。靖国神社をめぐる問題をどう考えたらいいのか、自身の思考を整理するために同書を手に取った。

読み進んでいくうちに、論理的に靖国という「装置」がどのような性格をもったものなのか、次第に明らかになる。以下の引用は結論的ポイントである。ここでいきなり突きつけられると唐突な感がするかもしれなが、これを読んでピンときた方は『靖国問題』を読んでみてはどうだろうか。同書ではもちろん『問題』の解決策も提示されている。

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非戦の意思と戦争責任を明示した国立追悼施設が、真に戦争との回路を絶つことができるためには、日本の場合、国家が戦争責任をきちんと果たし、憲法九条を現実化して、実質的に軍事力を廃棄する必要がある。現実はこの条件からかけ離れているため、いつこの条件が満たされるのかは見通すことが困難である。しかし、この条件からかけ離れた現実の中で国立追悼施設の建設を進めるならば、それは容易に「第二の靖国」になりうる。したがって、国家に戦争責任を取らせ、将来の戦争の廃絶を目指すのならば、まずなすべきことは国立追悼施設の建設ではなく、この国の政治的現実そのものを変えるための努力である。

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2005/08/19

靖国神社2

8月15日。この日に靖国神社に行くのははじめてだ。敗戦後60年。この節目の年のこの日に、どのような人びとがどのような表情で参拝しているのか、見ておきたかった。そして、非常に暑い1日になった。

昼ごろ、地下鉄の九段下駅の階段を地上を目指して上がる。すでに参拝を終えて駅に降りてくる人びとと、これから地上に上がろうとする人びとが入り乱れ、駅構内は混雑。ヘルメットをかぶり、コテをつけた警官らが、長尺の警棒を手に、要所々々に立つ。

地上に出た僕は、これから靖国に向かおうとする人びとの流れに混じり、黙々と歩を進めるのだが、本日は晴天ナリ。炎天下、額から背中から汗が流れ落ち止まらない。60年前の今日もこんな暑さだったのだろうか。

参道手前の交差点で信号が青に変わるのを待つ。横断歩道の向こう側では、参拝者に向かいマイクを使って演説をする人が見える。

大村益二郎の銅像を見上げつつ、石畳の参道を進む。途中、テントが2、3張り立っており、DVDや書籍の販売。いずれも太平洋戦争を肯定的にとらえた出版物だ。数人が立ち止まって、どんな内容かと手に取っていた。大村益二郎の背後にある広場では、巨大なテントが張られ、集会が催されるようだ。石原慎太郎東京都知事などが壇上に上がるらしい。

途中、外国のテレビクルーが、女性記者が靖国神社を背景にコメントする絵を撮影していた。

これだけ暑いと、脱水症状になりかねない。途中の茶店で何か飲みもを買おうかと思っていたが、それどころではない。独り老男性が茶店前で三線をかき鳴らしている。Tシャツには日章旗(日の丸)と旭日旗をあしらい、「日本人よ胸を張れ!! 大和民族の子孫として」とプリントされている。カメラを向けると目が合った。僕が軽く会釈すると、この男性も口を一文字に結んだまま軽く頷いた。

この男性の左奥には、幟が2つ。「大東亜戦争は侵略戦争では無かった」「日本人は日の丸の下に結● 天皇陛下を中心に団●」(●の部分は人混みで見えなかった。結束と団結か)

もうしばらく奥に進むと、日章旗・旭日旗を掲げた黒い特攻服に身を包んだ一団に出くわす。最初、参拝客に混じって拝殿に向かっていたのだが(他の参拝者も皆、拝殿を目指して並び、ゆっくりと歩いている)、この列を離れ、脇の広場で横一列に整列、リーダー格の中年男性が号令をかけていた。「礼!」と言ったのだろうか、団員(隊員?)がキリッとお辞儀をする。が、中にはまだ若く不慣れなのか、隣の先輩の所作を見て、少し遅れて礼をしているものもいる。

他の参拝者はこの集団を何事かと、物珍しそうに眺めていた。

参拝者の列を横目に、脇の砂利道を拝殿を目指して進む。参拝者の列は、老若男女ふつうの人びとが、炎天下、辛抱強く黙々とゆっくり歩みを進める。そんななか、1人旧軍の軍装をした男がいた。見たところ、戦争を経験していない世代である20〜30代と思われる。独り興に入った様子で、汗を拭っていた。自宅からこの格好でやってきたのだろうか…。この「場」では、そういう衣装を身に着けても、周囲は「あ、いるな」程度にしか思わないだろうが、これで地下鉄に乗っている姿を想像すると異様である。

拝殿前まで来て、社頭参拝者の様子を眺める。拝殿の脇から本殿を覗く。本殿へは、申し込んだ遺族などしか入れないようだ。「社頭参拝者数は20万5千名を数え、昇殿参拝者も5千6百名を超えた」(靖国神社HPより)そうだ。

踵を返し、神社外苑に戻る。一角では、旧軍の軍装だったり、海軍の帽子をかぶったりした男性らが、軍歌などを歌っている。ハーモニカの伴奏つきだ。背後では、「必勝」と「日の丸」を染め抜いたハチマキを締めた老男性が日章旗を振っている。見物人も20人くらいか。「同期の桜」をリクエストする女性もいた。しばらく眺めていると、1人の老男性が「私も」とハーモニカの伴奏に合わせて歌っていた。

ふと気づくと、子ども用にあつらえた旧軍装を着た少年が2人、僕のすぐ脇に立っていた。兄弟だろうか。兄と思われる10歳前後の男の子は日章旗を手にしている。カメラを手にした人びとがわっとこの2人を取り囲み、シャッターを切る。2人は無表情だ。しまいには、ハーモニカ奏者の隣に立たされて、日章旗を振っていた。大勢の見物人の前に立たされたためか、やはり無表情で、弟と思われる男の子は、ちょっと疲れたような困惑した表情。しかし、子どもにどうしてこのような姿をさせ、人前に立たせるのだろうか。その親の気持ちの理解に苦しむ。

先ほど通り過ぎた大村益二郎の背後では、巨大テントの下、「終戦60年、追悼と感謝の集い」が催されていた。ちょうど壇上には、石原知事が演説中。ときおり、会場からは大きな拍手がわき起こる。僕がいるところからは、豆粒くらいにしか見えないし、同知事から特に聞くべきところも期待できないと思われ、早々に立ち去る。

コンビニでペットボトルの水を買い、飲みながら、千鳥ケ淵戦没者墓苑に向かう。

警官が入り口に立っているのの、物々しさは感じられない。靖国の大混雑とは打って変わって、参拝者は多くないが、途絶えることはない。年配の戦争体験者がその多くを占めるが、比較的若者の姿が目立つ。また、外国人の一団も来ていた。記者の姿も見られ、どこかのTVクルーのほか、共同通信の記者が参拝者にインタビューしていた。また、どこかの記者は参拝を終えた老男性から日陰のベンチで話を聞いていた。

靖国と千鳥ケ淵を見て回って、若者が比較的多いのが意外だった。学生だろうか。1人で、カップルで、グループでと、さまざまだ。彼らは、何を思って参拝したり見学しているのだろうか。

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2005/08/18

帰省

2泊3日で、実家のある地方都市に帰省していました。まあ、地方都市なんていう、たいそうなものでもないけれど。それに隣の市に吸収合併されちゃったしね。

午後は実家の台所テーブルを机代わりに、iBookに向かいお仕事の2日間。お盆シーズンとはいえ、平日はみな働いているので、誰に会うというわけにもいかないのです。でも、自分のアパートの部屋と違って、私物が全くないので、いや、はかどります。

あ、あと姪っ子とちょっとだけ遊びましたな。まったくかわいいです。妹の旦那はゴジラみたいな御仁だが、いまのところかわいいです。

昨夜は、中高時代の友人と街に出て飲む。「街に出て」って書いちゃうところが、ぼくもやはり田舎者です。しかし、その街中を歩いてびっくり。数年前からその片鱗は見せていたけど、風俗店が急増しているのです。飲屋街ー繁華街と言った方がよい?−の交差点には、外国人のお姉さんが立ってるわけです。

「マッサーいかがぁ」

やる気のない、適当な感じで、声をかけてきます。日本人はほとんどいないです。そういう仕事をしている日本人もいるだろうけど、街頭に立って呼び込みはしていない。たいていが、フィリピン人、中国人です。

外国人が街にとけ込んでいるのは、面白いけど、なんか複雑な気分です。

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2005/08/15

靖国神社

靖国神社に行ってきた。どんな人びとがどんな表情で靖国に詣でているのかこの目で見ておきたかった敗戦60年目の8月15日です。

非常に暑い1日でした。靖国のあとは千鳥ヶ淵へ。

詳細は後日。

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2005/08/12

ホワイトバンド

通勤電車で何度か見かけて気になっていたものがある。手首に腕時計と一緒に白い「いかリング」のようなものをはめている人をときどき見かけることがあったから。職場の1階にある本屋で盆休みに読むための新書を買い込んでレジに並んだら、そのいかリングを売っていた。

これは「ほっとけない世界のまずしさキャンペーン」の「ホワイトバンド」というそうな。
http://hottokenai.jp/

このHPを見ると... (以下抜粋)

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3秒に1人、子どもが貧困から死んでいます。食べ物がない、水が汚い、そんなことで。この状況を変えるには、お金ではなく、あなたの声が必要です。貧困をなくそう、という声を表すホワイトバンドを身につけてください。
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このキャンペーンのゴール(目的)は、寄付を募ることでなく、啓発活動だけでもなく、啓発活動の結果として「貧困をなくす政策をみんなで選択する」ことです。
募金ももちろんとても大切です。でも世界の「とてつもない貧困」は、もはや募金だけではもうどうにもならないところまできています。根本的なことを解決しない限り、地球上の貧困は決してなくなりません。根本的なこと、それが、政策の転換です。
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この「極端な貧困」は、根本的な構造そのものを変えていかない限り、なくなりません。根本的な構造を変えるには、目下のところ政策で変えるしかありません。

この貧困をなくすキャンペーンを呼びかけているひとりに、世界で一番のお金持ち、ビルゲイツがいます。 彼の個人資産は5兆円といわれていますが、たとえ彼が全財産を寄付したとしても、その構造が残っている限り、 4年もたたずに、アフリカの貧困はもとのもくあみです。

すざまじい貧困の構造を根本から変えるには、一握りのお金持ちの寄付では足りないのです。 変えようと声を出し、意志を表し、政策を変えようと、 仲間をひとりひとり増やしていく人々の意志の連なりでないと無理なのです。
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ぼくの友人Kさんはこの9月にアフリカに赴任することになり、先月、一杯やる機会があった。アフリカについては新聞で読む程度の知識はあったけど、その薄っぺらなことに気づかされる。この貧困問題も考えなくてはならないテーマのひとつだと意識しはじめていた矢先の出会いだ。さっそく、「ホワイトバンド」を購入することにする。

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2005/08/10

本田靖春

本田靖春著『我、拗ね者として生涯を閉ず』(講談社)を読み終える。毎日帰宅後、時間のあるときや風呂につかりながら、少しずつ読み進んだ。通勤電車で読めばいいのだが、なにせ600ページ弱もあるから、通勤かばんにいれて担ぐには重たい。

本田氏の名前は知っていたが、同氏の著作は読んだことがなかった。ぼくが仕事で雑誌記事の紹介(書評みたいなものだが、あくまで紹介の域をでない)を書いていた昨年、本田氏は亡くなった。『月刊現代』に連載中の同作品は未完であった。と、ごくごく簡潔に、同氏が亡くなったことと連載が未完であったことをぼくは記録した。

ぼくが書いていた雑誌記事にそのことを書いてから、数か月後に同書が刊行され、すぐ購入したのだが、もっと早く本田氏の作品を読んでおくべきだったと悔やまれてならない。

『拗ねもの』から気になったフレーズをひとつ。

「私だって、ささやかに新聞記者ですからね」

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2005/08/07

旅するベトナム語2

7月26日に書いた「旅するベトナム語」をやっと見た。毎日の放送を見るのは帰宅時間の都合上、不可能だから、予約録画しておいた。といっても、初回から3回目までで、あとは録画予約を忘れてしまったから、4回目以降はまだ見ていない。

NHKの語学講座番組で取り上げるには、ターゲットとなる視聴者が少ない言語を選んで、実験的にやっているのか。これまでタイ語とインドネシア語が放送されていたようだ。

深夜の5分番組だけど、ちょうど良い長さだ。また内容もテンポよく飽きさせない(まあ、5分で集中力を欠くようじゃぼくもおしまいだけど)。語学番組というか、娯楽番組としても見れる。語楽番組だ。いい試みだと思う。現地の雰囲気も伝わってくる。

テキストもわかりやすく、補足情報もあって、好感が持てる。

が、しかしだ。どうして、ベトナム戦争の記述がないのだろう。別に詳細に掲載することはないだろうが、仏印進駐のことも含め、ちょっとでも記述すべきだったのではないか。それを知らないで、ベトナム「雑貨・グルメ」観光をしてもなあ。

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2005/08/06

アップルストア渋谷店

アップルストア渋谷店がオープンした。これまで平日は、職場近くの銀座店にときどき足を伸ばしていた。帰宅途中に寄るにはちょっと遠回りになるが、休日に行く分には銀座店に比べ、移動距離は短くて助かる。もっとも、渋谷は人が多すぎて、歩くだけで目が回りそうなんだけど。

午後4時前に行ってみると、まだ入場制限をやっており、行列に並ぶこと5分(大した行列じゃなかった)。先着何人だかは忘れたが、Tシャツのプレゼントがあったと聞く。きっとオープン直前には、ものすごい行列ができたのでは。

8月2日に発表されたMighty Mouseにも触ってみる。まさに身体機能の拡張って感じ! だが、慣れの問題だとは思うけど、ぼくにはちょっと複雑すぎ。これまのワンボタンマウスが安心なのだけど、冒険のある生活ではないのかなあ。ま、しょせんデバイス、されどデバイス。

同時にiTunes Music Storeも日本上陸したわけで、入店時にもらったスクラッチカードで1曲プレゼントがあたったので(当たったというより残念賞?)、帰宅後さっそくダウンロード。おお、こりゃ便利だわな。

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