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2005/05/07

再びサイゴンより3

5月6日、朝8時。ロビーで待っていると、昨夜の約束どおり、Pさんが迎えに来てくれる。餅米のご飯の食堂に連れて行ってもらう約束をしていたのだ。定宿があるコンクィン通りからすぐ近く。こんなところに、こんないい店があるとは気づかなかった。餅米のご飯2種。赤く炊き込んでココナッツパウダーをまぶしたものとソーセージや焦がしニンニクをまぶしたものをいただく。そうこうしているうちに、あとからVちゃんもやってくる。

3人でビンタィン区のカフェへ。客は皆、ノートパソコンを使っている。どうして? Vちゃんによれば、ここで飲み物を注文すれば、インターネットへの接続はただだからだそうだ。ここでVちゃんの友人Dさんが合流。PさんやDさんは、Vちゃんの高校時代の友人。Pさんは自身でビジネスを起こし、Dさんは外資系企業でそれなりの地位を得ている。いわば、成功を手に入れつつあるわけだ。Vちゃんは、僕がただ旅行中に会う人びとだけでなく、こういったベトナム人もいることも知ってほしかったのだという。うれしい心遣いだ。

Dさんは仕事があるので、VちゃんPさんと3人で昼食へ。雷魚を食べさせる店に連れて行ってもらう。しかし、朝食に腹保ちのいい餅米のご飯をたらふく食べ、しかもずっとカフェでおしゃべりしていたから、全然お腹がすいてない。でもせっかくだから、頑張って食べる。ああ、空腹なら、お代わり3杯は軽くいける味なのに。残念。

ここでVちゃんPさんとはお別れだ。いろいろ連れて行ってくれて、ありがとう。

午後は、昨日ホテルで会った中国人女性Lさんと土産物を買いに行く約束。さて、いったん部屋に戻ってシャワーでも浴びようかと受付で「Key Please」。しかし、なんと、「部屋はもう使えない。新しい客が使うから。荷物はそのまま外に出しておいたから大丈夫」。おいおい、何が大丈夫なんだ?

今日の夜便で帰国だから、それまで部屋を使っていい約束はしていたのだが、その分の料金は払わなくていいことになっていた。だから、仕方ないと言えばそれまでだが、せめて一言断ってしかるべきだろう。今朝だって顔を合わせていたのだから、そのタイミングはあったはずだ。10年来のつきあいだから、ホテル側と僕との間に、ちょっとした甘えがあったのは確かだ。以後、気をつけよう。やはり、いくばくかの緊張関係は必要だな。仕方なく空き部屋を借りて(おい、空き部屋があるじゃなかいか!)、シャワーを浴び、着替える。

茶をもらって飲んでいると、ホテルの女主人が、僕の部屋を取り上げた受付の女の子をしかっているのが聞こえる。早口のベトナム語で何を言っているのかわからないけど、ところどころ、僕の名前が出てくる。女主人にしかられて、受付の彼女は神妙な顔つきでいるものの、しょんぼりした感じはない。おしかりが終われば、笑顔で"Hi! Do you wanna one more tea?" やれやれ。でも、こういうところがベトナムの面白いところでもある。

約束の時間に少し遅れて、Lさんはやってきた。もう少し安いホテルのドミトリーに移ったのだそうだ。彼女が移ったドミトリーには2人の日本人がいて、あいさつをしても無視されてしまうのだと、ぼやく。その理由を尋ねられるが、バックパッカー初心者か、異常に他人に対して不信感の強い旅行客なのか。「その2人に挟まれているから、私の方がナーバスになっちゃうよ」とLさんは嘆く。

彼女の希望で、中央郵便局に向かう。午後の一番暑い時間帯なので、タクシーを使う。絵はがきを出すのかと思っていたら、新しく買ったデジカメでパチリ。次は僕の希望で、土産を買うべく、国営デパートに徒歩で向かう。その途中も、彼女はいろいろ目につく珍しいものデジカメに収める。どんなふうにとっていのか見ていたら、結構、面白い。影をうまく使った、メリハリのきいたカットだ。途中、Lさんと僕が並んだ影も撮影。さらに日本のファッションにも関心があるLさんに、日本人が好きな土産物屋を案内する。ドンコイ通りにあるKiTOだ。ここはいつ行っても、日本人の客が一杯だ。Lさんはバッグが気に入ったようだが、値段と荷物が増えるからとの理由で、買い物を断念。

のどが渇いてきたので、レロイ通りのバクダン・アイス(Kem Bach Dang)に向かう。ここのドリアン・アイスが僕のお気に入り。Lさんも気に入ってくれたようで、一言もしゃべらず、平らげた。彼女の夫はカメラマンでアーティストなのだという。1歳4か月の娘はベビーシッターに預けての一人旅。僕と同い年ということが判明して、さらに意気投合。しかし、5月8日が彼女の誕生日なので「私の方が年上ね」と笑う。ではドリアン・アイスは誕生日プレゼントということで、僕がごちそうする。お次は、ベンタィン市場。僕の友人Aから頼まれていたヌクマムを求める。Lさんも友人のためにアオザイ型の小瓶に入った香水を買っていた。さすがというか、値切り方がうまい。粘り腰である。

いったん別れて再度合流し、夕食に出発。彼女がベトナム人が行くような店がいいというので、初日にNさんと行ったバインセオの店に行く。ビールが入るとますます話が盛り上がり、ウォン・カー・ウェイの映画や日本人のライフスタイル、歴史認識まで。酔っぱらっているのだけど、頭はフル回転だ。

おっと、そろそろホテルに戻らねば。途中、タクシーが道を一本遠回り。それをLさんに伝えると、彼女は運転手のシートのヘッドレストの部分をピシャッと平手で殴る。

「なに遠回りしてんの! 道を知らないと思ってなめんじゃないよ!! その分は払わないから、そのつもりでいなさい」

突然のことで、運転手もびっくしりしていたが、僕の方も驚いた。もちろんメーター全額は払わず、さっさとタクシーを降りる。ホテルでチェックアウトを済ませ、Lさんと記念撮影。彼女はこのあと、フエに向かった後、ラオスとカンボジアに行くそうだ。お気をつけて!

ホテルのロビー奥にあるバスルームを借りてシャワーを浴びる。ホテルの下働きの女の子が、タオルを貸してくれる。こういう細やかな気遣いはうれしいんだけどね。この女の子は、僕の顔を見るたび「うそつき!」と言って、つねってくる。何でだろうと思っていたら、どうやら、毎回、違う女性と食事に出かけているように見えたためらしい。そりゃ誤解だよ…。英語がわかるスタッフが「彼女、嫉妬してんのよ」と耳打ち。それを聞いてまた「キー」と唸って殴りかかってくる。ありゃ。気に入ってくれるのはうれしいけど、もっと別の愛情表現の仕方もあるだろうに。しかも本気で殴ったりつねったりしなくても…。(横浜にて)

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